5/24、ゼブラの岩間卓吾さんをお迎えして、ストレスフリーなボールペン“ブレン”の研究・開発秘話をお聞きしました。田中さん、上舘さんという嘘がつけないタイプのゼブラ応援団もオーディエンス側から参加。リアル参加+WEB参加のみなさんもありがとうございました。楽しかったです!
■第1部は「ブレンは何を変えたかったのか?、実際、何を変えたのか?」
当時、筆記具業界で起こっていたインクやチップなど中芯に偏った書き心地の戦い“なめらか戦争”の流れを変えるために、ブレンは何を変えたのか?を概観。ポイントは3つ。
・「コンセプト」=ブレない“ストレスフリーな書き心地”
・「機能」=“ブレない”を機構で実現する
・「デザイン」=各社同質化していた状況を突破するデザイン
https://www.zebra.co.jp/pro/blen/
3つがつながったストーリーで誰もが語れる状態が、試行錯誤の末、実現。新しい書き心地を世の中に提案するに至った訳です!
ボールペンの構造から丁寧に説明してくださる岩間さんの様子、ユニークで素敵なスライドから、日頃の岩間さんのお仕事ぶりを垣間見た気がしました。
岩間さんのストーリーの全体観を1部で掴み、みなさんの関心の方向感を見ながら、2部へ。
■第2部では「ブレンを開発するプロセスで、社内で何が起きていたのか?」のお話。
・実は、ずっと進めてきた“書き心地”研究が、ブレンが生まれる出発点。“振動・ブレ”が書き心地に影響するという事実が、実験や測定、アンケート、大学との共同研究で見つかります。ここで「書き心地は中芯」という思い込みがついに壊れる!
⇒「思い込みを壊すのは難しい…が、ここがまさにイノベーション!」と語る岩間さん。「自分たちの持つ観方を壊すために外の力を借りる」というコメントが印象的で、ワクワクしました。
・“振動”を新たな書き心地要素として商品化提案するも採用ならず…。「玄人受けじゃないか?」という反応だったそう。
⇒ここで諦めず、いろんな打合せに潜り込んで“振動”の可能性を広めるすり込み活動へ。応援団・上舘さん曰く、岩間さんは技術に詳しくない人にも分かりやすく教えてくれるらしい。
・そして、ついに“なめらか戦争”の流れを変えようと立ち上がったプロジェクトと融合することに!
⇒すり込みの成果か?ここで、“振動”と商品コンセプトがつながり、結果として「コンセプト×機構×デザイン」で一貫性を持たせることができた。岩間さんたちがコツコツとやってきたことが流れを呼びよせたように聞こえました。
■ここから改めてQ&Aへ、質問量がスゴく、苦闘しました(笑)抜粋して紹介します。
・岩間さん周辺の風土は保守的だった?―オープン。続けている基礎研究をやめろとは言われない。
・書き心地は世界共通?グローバル市場は?―違うところもあるので、国によって対応している。中芯を変えたりとか。
・“ブレない”ことがすでに見える市場ニーズとしてあった訳ではない?―そうです。
・未来、筆記具はどうなるの?―筆記具は創造性を喚起する、脳と繋がるものになるんじゃないかな。
・めざす書き心地があったのか?これいいなで巡り合ったのか?―今までにない書き心地を探してきた。すでに言葉(オノマトペ)になる書き心地をマッピング、ここ以外に何かないか?と探索した。
・やり抜いた秘訣は?―開発プロセスで時間があり、自由度が高いのは上流。上流でしっかり方向性を決めることが大切。今回でいえば、研究コンセプト。
会場のみなさんのエネルギーがとても高くて、岩間さんの研究への熱が伝わったんだなと。懇親会では「文具屋さんで100本ぐらい並んでるボールペンも、研究開発で一生懸命作っている。魂こもっているんだな。」「やる気をもらった。ものをつくるときにはここが肝だ!を感じられて楽しかった」といった声も聞こえてきましたー。いい熱さが共有できたなぁと。
自分の思い込みを何か見つけて壊したくなった、そんな夜でした。岩間さん、準備から当日までありがとうございました!また、面白いお話を聞かせてください!
自分の仕事をもっと面白くしたいエンジニアのみなさんのご参加お待ちしています!
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